聖職者からパワハラを受けて心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症したとして、カトリック長崎大司教区の50代の女性職員が長崎労働基準監督に労災申請をすることが、21日分かった。代理人弁護士が同日記者会見し、明らかにした。女性は聖職者から受けた性被害などの相談窓口の担当者で、6月から休職している。
女性は、17年に教区が設けた「子どもと女性の人権相談室」の室長。代理人弁護士によると、神父による資金流用があり、19年2月に約120人の神父を集めた説明会が開かれた。この際、居合わせた神父らから女性に対し「(不正をした神父を)陥れようとしている」などと非難が上がったという。
女性はその後、相談業務に教区側からの監視が強まり、職場環境が悪化したとも訴えている。女性は今年6月末から休職。PTSDと診断された。
高見三明大司教は取材に対し、神父による約2億5千万円の不正流用があったとした上で、パワハラの訴えに関しては「状況の受け止め方に誤認がある。顧問弁護士と相談したい」と話した。(榎本瑞希)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル